学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。補講で出席を取らないと言ったらほとんど学生が来なかった。つまり、この授業にたくさんの学生が出席しているのは、別に僕の授業がおもしろいからでも、心理学に興味を持っているからでもなくて、単位がほしいだけだったのだ。ふつうにへこむ。
今日は予想以上に人が少なくてびっくりしました。
僕はもっとびっくりした。
ハーレムは女性のほうが得をするというのは、全く考えていないことでしたが、子孫を残すという観点から見ると納得できました。
子孫を残すことができるかできないか、というリスクの点でハーレムの制度は男性に不利に働く。成功した男性は多くの遺伝子を残せるが、大多数の失敗した男性の適応度は大きく下がる。平均的な男性 (この教室にいる男子学生のように、金もなく、イケメンでもない男性) にとっては一夫一妻の方が幸せ。
補講ってこんなに人が来ないものなんですか? 笑
笑っている場合ではない。
人間には、本当に意思というものはあるのですか。人間という種が数を保つために思考や行動をプログラミングされているという可能性はありますか。
それはえらい難しい問題で、心理学者の専門の範囲を超えている問いだと思う。ある意味人間の行動はプログラムされている (ある状況下でどういう行動が生起しやすいかは分かっている)。その行動頻度が確率的に変動すると考えると、予測から外れた行動が取られた場合にはエラーであると考えることもできる。そうなると自由意思というのはいったいなんなんだろうと夜も眠れなくなるわけだ。
(自殺について) 政府等がやっている対策はどのようなものなのですか?
「自殺対策白書」というのがあって読んでみたけどよく分からない。たいしたことはしていなさそう。2011年の自殺原因のトップは健康問題 (14,621人) だが、2位 (8,070人) は「不詳」となっている。3位は6,406人で経済・生活問題。人口10万人あたりの自殺者は1947年には15人ちょっとだったのが、2010年には34.2人。急増したのは1998年 (僕が大学院に進学した年。どうでもいいが) から。1997年には拓銀、長銀、日債銀、山一証券が倒産している。その翌年に自殺者が急増したのは、明らかに景気が問題だろう。それ以降、景気がましな時期もあったが、基本的には日本の経済は低迷している。おそらく金があれば自殺せずに済んだ人がほとんどだろう。カウンセラーを増やしたり、相談電話をもうけたりする方が社会政策としては金がかからないが、実際には仕事を用意したり、生活保護の受給漏れを減らしたりする政策の方が有効と思われる (ところが、逆に生活保護の受給条件を厳しくしろとマスコミは言ったりする。いつだれがそういう立場に陥るか分からないのに)。
(アリの話から) それを発展させると地球や宇宙も1つの個体と見れるのでしょうか。
それは違う。アリなどの真社会性昆虫の場合は遺伝子の共有率が非常に高い (場合によっては100%クローン) から、1つのコロニーを1つの個体として見なしてもいい場合があるということ。地球はそうではない。
先生が大義利と言ったので、ひとつなぞかけをお願いします。お題は進化で!
そんな大事なところで漢字を間違えるようではダメ。大喜利な。
英会話はどのような練習をしたらできるようになりますか?
できる人に訊きなさいよ。
男は若い女の子を求めるとおっしゃってましたが、自分より年が上の女の人を求める人はどうなのですか?
小学生の男子は女子大生に憧れたりする。生殖年齢を大きく越えたような年齢の女性を好きな人もいるが、そういう人は全体から見るとほとんどいない。
ところで、今日の質問の回答って、前の授業でやってたような気がするんですが……。
……衝撃の告白。
ライオンは子どもを殺されると発情し、子どもを作るけど人間はあまりそういう人はいないと思って、人間はとても合理的じゃないと思った。
なぜ人間とそれ以外の動物が異なるからといって、人間が合理的じゃなくてそれ以外の動物が合理的だと思うのだろう。種によってどういう行動が合理的かは当然異なる。
(質問の回答コーナー) あのコーナーは授業の残り時間で行うのはどうでしょうか。
だが断る。
先生は授業の前に話しすぎる事が悪いのではないかとおっしゃっていましたが、先生の話がない心理学概論はみその無いみそ汁みたいなものなので今まで通りがいいです。
つまりあれだな、最初の30分を越えると、あとはみそのないみそ汁みたいな授業だったことを言いたいんだな。
「ローレンツ」という人は「ローレンツ曲線」のローレンスと同じ人ですか。
そっちはマックス・ローレンツで経済学者。動物行動学者のコンラート・ローレンツとは別人。
物体 (?) が「生きている」と判断する基準はなんでだと思いますか? 木は生きているといいますが、石は生きているとはききません。
そりゃあ、石は生物ではないからね。とはいえ、生物と無生物をどう分類するかって結構難しい問題だとは思う。細胞から成り立っているかどうかで区別していいのかな。
私だけかもしれませんが、腕とか脚にわっさー毛がはえている人を見ると心のどこかで「うわー…」って思ってしまいます。
中には「うわー…♡」とか「うほっ、いい男」と思うやつもいるんだよ。