やっと10月が終わる

忙しい忙しいとぼやくのがはやっているので、僕も一言。

10月はたいへんだった。学会発表が2件、出張が3件 (3件目は明日からだ)、シティカレッジの講演 (今日終わった)、科研費の申請締切、入試業務でつぶれる週末が2つと、「10月はなかったことにしたい」気になるくらい、たいへんだった。もう一つあった。しばらく前から北大の後輩と書いている論文の直しが1本。とりあえず、3件目の出張以外はすべて完了して今に至る。

明日からは北大に赴き、共同研究者と新しい実験の計画を練ってくる予定。札幌に行くのはとてもうれしいが、今年度末までになんとか実験のプレだけでもやらなきゃいけないと考えると、戻ってからもたいへんだろうなあ、と「年度末もなかったことにしたい」という考えに襲われる。年度末はまた入試業務で謀殺じゃなくて、忙殺されるだろうし、インフルエンザが流行っているのも気になる。いっそインフルエンザで寝込んでいた方が楽なんじゃないかと不謹慎な考えさえ頭をもたげてくる。

大学教員の仕事は、かなり分散が大きい。手を抜こうと思えばどこまでも抜ける。授業はテキトー、研究はしなくても職を奪われるわけでもないからテキトー、仕事のできない変人のふりをして事務仕事もテキトー (いつも失敗することが大事) と、すべてにわたってテキトーを通せばものすごく楽になるはずだ。テキトーな教員生活を送る限り、研究費もほとんど必要ないし、授業のない日は一日ぼんやり喫茶店で新聞でも読んでだらだら過ごせばよい。おそらく、そういうテキトーな生活をしている大学教員も世の中にはたくさんいることだろう。「あいつにはそういう細かい仕事は任せられないよ」と周囲の信頼?を勝ち取ればこっちのものだ。

そういう生活ができない大学教員は、自分で仕事を探してしまうので、どこまでも忙しくなる。研究をがんばってやらなきゃいけないと思うと、研究費を申請するために忙しくなる。研究費をとってしまうと、研究をしなきゃいけないから忙しくなる。研究時間を確保するために事務仕事をとっとと片付けると、「事務仕事を任せても安心」と誤解されて、仕事が増える。研究をしていると、「こういう最新の研究成果も授業内容に盛り込みたいな」と思ったり、「この仕事は学生の実習と連動させて効率よくやろう」とか色気が出てしまって、授業準備も手を抜けなくなる。泥沼だ。こんなことでは、給料以上の仕事をしてしまうことになる。大学教員が忙しくなったって、決して給料は上がらないのだ。

というわけで、明日の出張に備えて、寝る。

「進化と人間行動2009」の感想 (20 Oct, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。今回も、1行とか2行しか書いていない学生がいる。なんと、心理学専攻生だ! 見ていると、授業終了間際に教室に入ってカードだけ出しているようだ。当然、こういう行為がバレることのリスクも考えてやっているのだろう。この2名は特定してある (2007年度入学の2名)。最初に説明したように、この授業では出席点はほとんど単位修得に貢献しない。なので、単位がほしい学生はこういう不正をするくらいなら欠席をするべきだ。不正して出席点をインチキするような学生には単位は与えない。正直者が馬鹿を見るようなことを授業で学習させてはいけないので。

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ことでん

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中国四国心理学会の大会で高松。さっそくことでんに乗って興奮気味。ことでんは広電宮島線に改札を付けて少し立派な車体にした感じ。改札は駅員さんがパチンとやるタイプ。萌える。自動改札のような機械があったが、どうやらICカード専用の様子。
# 鉄ではありません。

「進化と人間行動2009」の感想 (13 Oct, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。3行以上書かないと出したことにならないって説明しているのに、1行とか2行で提出している学生がいる。そういう学生はそもそも話を聞いていないから、「3行以上書け」という指示も聞いていないということか……。スクリーンが見にくいので、もう少し暗くしてほしいという意見が数件。

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日本社会心理学会第50回大会

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この週末は、日本社会心理学会第50回大会/日本グループ・ダイナミックス学会第56回大会合同大会 (於大阪大学) に行っていたのだが、予約していた論文集を会場で渡されてびっくりだ。正直、かなり迷惑。この写真を見てよ。11年前、学会デビューしたときの1998年筑波大学での大会のときは札幌から筑波まで持って行けるくらいの厚さだったが、いまとなっては、日本心理学会の大会論文集より厚いよ……。論文集がなくてもCD-ROMでもらえるから、いらなかったのだが、どうやら事前にハードコピーのものも申し込んでしまったようなのだ。
会場で渡すなら最初から言って……。

オストロムがノーベル経済学賞を取った!

出身講座界隈でよく聞く名前だったので、なんとなく、祝福。

で、彼女の受賞理由の中で、われらが山岸俊男先生の研究が引用されてた!

An important feature of the experiments was the introduction of sanctioning possibilities. In one experimental treatment, subjects would be informed about the contributions of all the other subjects in the previous round and be allowed to selectively punish each of the opponents. A punishment would be costly to both the punished opponent and the punisher. Thus, a rational and selfish individual would not punish if the game were played for one period only.

With the notable exception of Yamagishi (1986), previous experimental work did not allow subjects to punish each other selectively. Since punishment appears to be crucial in the field, it is of considerable interest to see whether it matters in the laboratory and, if so, why. Ostrom, Walker and Gardner (1992) find that many subjects engage in directed punishment in the laboratory, but that such punishment works much better if subjects are allowed to communicate than when they are not (Yamagishi, 1986, had confined attention to the no-communication condition).