講義ではプレゼンテーションソフトを使うべきか使わざるべきか

後期より「進化と人間行動」という教養科目を担当することになっている。残念ながら講義ノートはまだできていない。今回は教科書 (カートライト, J. H. 『進化心理学入門』 新曜社) を指定しているので、通常よりは準備がらくちんなはずだが、全くできていない。

いつも悩むのが、講義にプレゼンテーションソフト (PowerpointやKeynote) を使うかどうかという意思決定である。といいつつ、実はこれまで通常の講義でその手の機器を使ったことは一度もない。いつもチョークだらけになりつつ、律儀に板書をしている。なぜこの手のソフトを使わないかというと、学生のノートテイクのタイミングと自分のスライド提示のタイミングを合わせるのが難しいからだ。なので、ノートを取らせる必要のない高校生相手の模擬講義や学会発表や講演などではパワーポイントを使ってきた。
ところが、今回は先日購入したばかりのKeynote’08があるではないか。ぜひこのソフトを使ってみたい、という非常に非本質的な理由から、今回はじめてプレゼンテーションソフトで講義をしてみようかという気になっている。とはいえ、スライドを作成するのは学生が思っている以上に面倒臭い作業なのだ。どうも学生はプレゼンテーションソフトを使った講義を手抜きと感じるようだが、それは大きな間違いだ。なぜなら大学の教員の授業は基本的に全部手抜きだからである。ただし、準備は板書形式の方が断然らくちん。板書が面倒くさいのは、毎回チョークで文字を書くという非生産的な作業に没頭しなければならない(一方、学生は僕の話などそっちのけでノートを取るのに必死になっている) ということだけだ。
さて、ところで、僕の使う予定の教室にはプロジェクターが設置してあるのだろうか。いろいろな意味で準備不足。