「集団力学2013」の感想 (19 November, 2013)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

(多数派の影響力について) 洗脳とかマインドコントロールも同じようにして従わせるんですか?

マインドコントロールは意図的に行動や思想をコントロールするものだから、多数派からの影響力とはずいぶん異なる。マインドコントロールに興味がある方は、『「信じる心」の科学—-マインド・コントロールビリーフ・システムの社会心理学』をどうぞ。

先週の埋没費用の問題なのですが、自分は4年間大学に通いましたが、単位が足りず、大学をやめて働いた方がいいのかもしれませんが、いままで費やした「3年半」という時間がもったいなく感じています。

これまでの投資量にかかわらず、大学は卒業した方がよい。今は大学を出ても就職が難しい時代だが、大学を出なければもっと厳しい。大学には最大で8年間まで在籍できるのだから、諦める段階ではない。とにかく卒業することが大事。

選挙には1回しか行ったことないけど自分が何を書いたらいいか分からず、だったので、行った意味がなかったと思いました。

ほとんどの有権者はそうかもよ。そういう何も考えない大衆が政治に参加するのが民主主義なのだから、全く問題ない。でも、少しでも選挙を楽しみたいのなら、ある程度情報は集めたほうがいいね。

バイト先で10歳以上歳が上の人に指示したりしないといけません。(中略) どうやったらこころよく指示を聞いてもらえるのでしょうか?

相手の自尊心に注意すること。自分が馬鹿にされていると思ったら、ちゃんと言うことを聞いてくれないかもしれない。10歳以上上の相手をコントロールするつもりで、言葉遣いには気をつける。

「働かないアリに意義がある」という本を授業で紹介していただいてから、図書館で借りようと思って通いつめているのですが、あるべきところにいつまでも無いので

安い本だから買ってしまおう。

この前、自分が就活を批判したのは、自分が就職できないという思いがあったからなのかなと思いました。

自分を客観的に見られるようになってきたのはとてもいいことだね。ただ、本当に就活という仕組みは気持ちの悪いものだと思うし、そういうことをしなければならない学生には同情する。でも、割り切ってやるしかないね。面接で相手のことが分かると思っているバカな大人をだましてやるくらいの気持ちでやろう。

人間は弱いから集団をつくっているのですか?

そうではなくて、人間は集団を作れるから強い。

先日リクルートスーツなるものを買ったが、なぜあれでなければならないのか、わからない。

80年代、90年代にはもっといろいろな服装があったんだよ。でも、いつの間にか「リクルートスーツ」でなければいけなくなった。どうしてあんなふうに若い人を統制する社会になってしまうのか、さっぱり分からない。そもそも制服という仕組みが気に入らない。なんでみんなと同じ格好でなければならないのか。

リアクションペーパーにコメントがある授業でよく先生が「こんなこと言ってない」という場面に遭遇します。

それでこういうやり方をやめられない。一度は必ず訂正する機会が得られるからね。はじめての話を一回で理解できる人なんてほとんどいないんだよ。

もっと他の政党が力をつけてほしい。

民主党が大勝したり、自民党が大勝したり、民衆の意思というのはかくも極端なものだと呆れてしまうね。でもそれを衆愚と言ってしまうのもまた難しい。そういうことが起こりうるのが民主制度で、われわれがそういう仕組みに信頼を置かなくなったときに何が起こるかということを考えると背筋が寒くなる。

どこぞかの本で多数派の意見よりも少数派の意見に耳を傾けようという記述があったんですが、実際の現場 (会議など) ではそれは難しいと思いました。

こういう時に大事なのは「どこぞかの本」ではなく、どの本で、誰が言っていたかということ。学問の基本。少数派の意見が採用されることがなければ社会が変革することはないのだから、少数派の優れた意見をどう救い上げるかということがとても大事 (でもほとんどの場合、少数派の意見は「おかしな」意見)。

先生は集団意思決定など集団についての研究をされていますが、どうして集団に興味を持たれたんですか?

集団というものが大嫌いだから。これはガチ。

「湯崎氏が過去にこれだけの功績を残したから、彼ならやってくれる」という埋没費用の誤謬

それは「埋没費用の誤謬」ではない。功績のあった人は今後もやる可能性が高い (つまり、リーダーとしての能力が高い) と期待できるという話だと思う (彼が本当にそうなのかは知らないが)。

すいませんとすみませんはどちらが正しいのでしょうか?

そんなことはGoogle先生が教えてくれるよ、いまどき。

昨日ビートたけしがテレビで「努力するということは宝くじを買うようなもので、当たり券を買うことではない。宝くじを買った人 (努力した人) の中から報われる人が選ばれる」というようなことを言っていた

宝くじと一緒なら、努力しない方がいいよね。宝くじは買うと損なんだから、それと同じならしない方がいいに決まっている。それに、宝くじは買った人の中から当選者が決まるが、世の中は「努力しなくても成功する」ひとがたくさんいるし、むしろその方が望ましい。がんばらないで成果を上げられるんだったらそれがいいでしょう? 無駄な努力をしなくても成功できるように賢くなりましょう。

選挙に行ったことがありません。今後行くつもりもありません。それでいいのでしょうか。

だめに決まっているだろう。そんなことだから、いつまでたっても若いひとたちが年寄りに搾取されるんだよ。政治家が票にもならない人たちのために政治をすると思っているの?

相互補強説は、単純接触効果と似ていると思いましたが、違いますか?

いいところに気づいた。同じ。