学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。
ニホンザルの配偶システムはどのようなものですか? また、ニホンザルの睾丸・ペニスの大きさは他の霊長類と比較してどのくらいの大きさなのでしょうか?
ニホンザル (マカク) は乱婚なので、睾丸は大きいはず。ペニスについては分からない (そもそもペニスの長さというのは、どういう適応の課題と関係しているのだろう?)。
(教養科目) “教養だから……”という本人の気の緩みもあるとは思いますが、教員が学生を馬鹿にする発言が目立つので、それに対する学生の反抗心によって授業が荒れているんじゃないかとも思いました。
教養にはいい先生もたくさんいるはずだが、そういう教員 (少なくとも学生からはそう見られる教員) もいるってことね。それが本当だとしたらたいへん残念。もちろん馬鹿にしたくなるような態度の学生もいるのだろうが、学生のできというのは教員が責任を持つしかないんだよね。入れたのは大学なんだし (しかもその意思決定を行うのは教員集団)、入れたということは「ちゃんと教育します」ってことなんだから。とはいえ、学生諸君にはそういうダメ教員に負けてしまって授業をちゃんと受けないというのは、結局損をする、ということを伝えたいね。どんな教員でも、大学教員であるからには充分な専門性を有している (はず)。どんな教員からでも学ぶべきことはあるので、そういうのに負けないでがんばってほしい。……でもこういうことを書くとうざがられるんだよな。
(睾丸の大きさ) 国などが違うと、睾丸の大きさにも差がありますか。
身長や体重との比で考えると違いはないんじゃないかなあ。
他の動物は、そもそも不倫のような現象は生じるのでしょうか、その際に嫌悪感を感じるのでしょうか。
「嫌悪感」というのをどう測定するかが問題だよね。質問紙調査はできないし。
私は資源の供給能力・地位のある男の人よりもかっこいい人の方にひかれます。
貧乏なイケメンに捕まらないように気をつけましょう。
一夫多妻とか多夫多妻とかぜったいにいやです。
自分が生理的に嫌かどうかということと、学問の世界の話というのは切り離して考えられるようにならないとダメだよ。
現代においてこどもを作るメリットはありますか。コストがかかってあまりメリットがあるように思えません。
昔の方がコストはかかっていたんじゃない? ミルクもなかったし、授乳期間が5年もあったんだよ。今の方が断然コストがかからない。
ドラマ「大奥〜誕生」おもしろかったですよ。是非見てください。
見た見た。
僕は誠実です。でも友達にわかってもらえません。どうしたら誠実だと証明できますか?
酔っぱらいが「まだまだ、ぜんぜん、らいりょうぶ!」と言っても、誰もしらふだとは思ってくれないよね?
不倫をしても女性に利益はないのに、なぜ、不倫をするんですか? (中略) 相手をえらぶのに子孫のことまで考えることはないと思うのですが。
まず前半部分については「女性にも不倫の利益はある」。後半部分については、究極要因と至近要因のところを復習する必要がある。別にわれわれは子孫のことを考えているわけではない。
先日、音系さ=来るの知り合いの先輩 (心理4回生) から、心理学の実験の依頼が、所属サークルの先輩 (4回生) からありました。参加したいと思ったのですが、音系の知人ばかりであつまると、結果のかたよりがでませんか?
実験の場合は問題ない。実験では集めた参加者を無作為に各条件に割り当てるので、どんなサンプルでも「条件以外は等質な」集団を作れる。問題があるケースとしては、条件1は音系サークル、条件2は陸上部、のように、条件と参加者の特性のどちらが実験結果を生み出したのか分からなくなってしまう場合。これは無作為割当で回避できる。
子供は、女の子の方が、身体が大きいことが多いですよね? 何か、今日の授業の内容でやったことと関係するような理由がありますか?
おおあり。女性の方が成熟が早いという話。成熟が早く、性的な能力を失う年齢も早い。だから、男性は若い女性を好むという話。
睾丸の大きさはすぐ変わるものなのですか? 仮にそうであると、男性が浮気を始めたらバレるのでは……。
なわけない。進化というのは1万年単位の話。
“彼女がいる男性と、つき合う”という事に対して、女性側にメリットはないという事は、頭では分かっているのだけれど
メリットはあるよ。その男性が遺伝的に優れている場合、タネを貰うことは十分適応的。ただし、子どもを育てる男性をどこかで確保する必要があるけど。
(優秀な遺伝子) 人によって「優秀」ととらえる基準が違うと思います。
そういう話ではなくて、生存確率が高く、生殖能力が高いということを意味している。
また先生は不等号を矢印のように用いられたり、そのままの意味で用いられたりしますよね。
すみません、これ、悪い癖なので、改善します。
docomoのスマホはどうですか? iPhone 5の方がいいですか? (>_<) 先生がこういうことに詳しそうなので聞いてみました。
今の時代に、わざわざiPhone以外の「スマホ」を買う理由はないと思っている。もちろんAndroidのおもしろいところもあるけど、それって、かなりオタク的な楽しさで、圧倒的多数の人にはiPhoneが断然使いやすい。少なくとも、そういう質問をしてくる人は、絶対にiPhoneにしたほうがいい。
今日やった質問紙の内容ってすごく嫌な感じでした。最初から、ほどほどの付き合いの友人を書かせるし (略)
そういう感情が起こったということはとても大事なことで、「あ、なんで私は嫌な感じがするんだろう」と客体化して考えると、心理学の研究のネタになる。嫌な感情が起こってくるのにはかならず理由がある。
オスは自分の子どもでなければ排除してしまうということですが、それはヒトの場合でもあり得る話なのでしょうか?
以前話したように、継子を殺す率は実子を殺す率より高いことが分かっている。
老いてもうまいこといけば若い奥さんをもらえたりと男性は得なことが多いと思います……。
それはあまりに一方的な見方で、自分が若い時にお金持ちの年上の男性と結婚できる女性の方だって十分「おいしい」じゃない。
今日の中西先生は顔色が悪い気がしました。
風邪をひいていたのがちゃんと分かるというのはすごいね。将来が期待できるよ。
化粧をしていない顔を見られたあとに、完成した顔を見られたら、逆効果だと思うから、人前で化粧をすることはやめた方がいいと思いました。
僕は配偶相手ではないから、僕に見られることには問題はないということだろう。それは確かにもっともなことだ。
あと、後ろの席の人がうるさかったです。
あんなに静かな教室でもしゃべるひとがいるんだね。でも教卓からはなかなか分からない。できるだけ前に出て授業を受けたらいいよ。
浮気されない女になるためには、どうすればいいんですか。
それは簡単で、浮気しない男と結婚すればいい。
人間が自分の遺伝子を残そうとする至近要因と究極要因って何になるんですか?
そもそも「遺伝子を残そうとする」とう観点から説明するのが「究極要因」による説明。その機能を果たすために様々な至近要因がある (若い女性を好むとか、誠実で金持ちな男性を好むとか)。
男性の中で、女性の様な見た目や華奢な体つきをしている人がいますが、そのような形質は子孫を残す上で不利だと思うのですが、なぜそのような形質が受け継がれているのですか。
そもそもそういう形質は少数派であり、個人差の範囲内だということと、現代では身体の立派さは子孫を残す確率とはそれほど大きな関係はないからそういう体つきの人が将来増えてもおかしくはない。ところで、「中西教授」と書いているけれど、僕はまだ十分に若く、「准教授」。
私のバイト先にサイコパスとしか思えない人がいます。その人は百人以上と関係を持ったり、四人を中絶したと自慢しています。
いろんな可能性がありそうだね。単なるDQNかもしれないし、虚言癖があるのかもしれないし。いずれにしても、こういう人には近づかないに限る。
蜘蛛なんかは産卵のあとオスを食べたりしますが、あれってオスはもう遺伝子を残せなくなりますね。
こんな情報を見つけたよ。血縁関係にある相手と交尾した場合には食べられにくいが、血縁関係にない相手と交尾した場合には食べられやすいんだって。血縁関係にある相手との交配を少なくする仕組みとして適応的なんだとか。これは知らなかった。
教務課には「生徒からこういう要望があった」と言って先生の要望を言えばいいと思います。
頭いいな (でも、「生徒」じゃなくて「学生」ね)。
男性も女性も優秀な遺伝子を残すために進化しているなら、女性の授乳 (育児) 期間とかを短くして自由に繁殖できるようにしたらいいと思うんですけど、なぜそうならないんでしょうか?
それにはそれのデメリットがあるから。確実に子どもが育たなくなる。特に人間は頭がでかく、未熟な状態で出産せざるを得ないので、どうしても育児期間が長くなる。育児期間を短くするためには、頭を小さくする必要があるけど、そうなると脳が十分に押し込めないよね。
ノートをとる必要がない授業で、先生が、ひたすら話しているだけの講義は、学生がよそ事やっている率が高いと思います。
そうしても単位が取れるってことね。それは試験のやり方に問題があるんじゃないかな。話を聞いていないと試験をパスできないようにすればみんな集中するんじゃないの? ……そうとは限らないか。