学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。
やはり人は自分が人よりも得をしたいという気持ちが強いために、ゆずったり協力することをしないという原理は日常生活で良く見かける。一人一人の協力的な気持ちが生活においてとても重要だとつくづく思う。
心がけとか気持ちの問題ではない、ということが厄介。むしろ、心がけの悪い人でも協力したくなるような構造的な解決が必要だろう。
良い環境をつくるために、最近安いハイブリット (ママ。ハイブリッ「ド」ね) カーがたくさん出ていますが、あれも製造する側がコストを負担しているということですよね?
いいえ。企業は儲けが出ないことはしない。環境に優しいふりをすることだって立派な宣伝。「燃費のよい車にすぐ買い替える」よりも、「古い車に長く乗る」ほうが環境負荷はかからない。どんなにクリーンで燃費のよい車でも、作るときに大量の二酸化炭素を発生させている。「製造する側がコストを負担している」なんて思うのは、トヨタにだまされているんだよ!
ゴミの話で、まちがって出したゴミを指摘しにくるおばちゃんがいると友だちが言っていて「めんどくさい人だなぁ」と嫌な感じがしたけど、その人はコストを自ら負っている実は良い人だったんだと思いました。
すごくよい人だね、そのおばちゃんは。そのおばちゃんは「ゴミもちゃんと分別しないで、めんどうくさい若者だ」と思うだけじゃなくて、ちゃんと世の中をよくしようと活動しているわけで。そういう親切なひとに逆切れしちゃだめよ。
(囚人のジレンマについて) 私ならば、先に協力して相手の出方をうかがって
実際、順番に協力・非協力を決定するタイプの囚人のジレンマゲームで、最初に相手に協力してもらうと、そんなに裏切るひとはいないということが分かっている。最初に協力を示すというのは、実際には案外いい手。
高次のジレンマとは人数が増えても誰もコストを負担しなくない (ママ) という事ですか?
2次のジレンマとは「罰さない人を罰するにはコストがかかる。誰がそのコストを負担するか」というジレンマ。3次のジレンマとは「罰さない人を罰さない人を罰するにはコストがかかる。誰が……」というジレンマ。4次のジレンマとは「罰さない人を罰さない人を罰さない人を罰するには……」というジレンマ。分からなくなってきたから5次以上は書かない……。
ゴミの分別の話で出し方、分別を守らない人を町からおいだすと秩序も守ることができ、分別などが守られるので、ゴミを回収してもらえるという答えもあるのですか。
「監視のコスト」が考慮されてないからだめ。誰が分別を守っていないのか、一体誰が確認するの? さあ、別の解決法を考えよう。
おじいちゃんに焼き肉の事をいったら「たべたい肉には、はしをなめて、肉をさわりまくれ」と言われた (笑) 出来ない……。
やれよ! それナイスアイディアじゃん! ジレンマ解決しちゃったよ! おじいちゃんイカす! って落ち着け俺。
すき焼きパーティの問題で、私はたぶん生焼けで食べてしまうと思いました。
ステーキはどうせいつもレアで焼いてもらうんだから、僕も生焼け派だな。むしろ生に近い方が旨いよね。できれば肉は生で食べたいわけで。ところが、郷里の北海道では、豚肉が好まれていて、すき焼きでも豚肉が入っていたりするのよ。だったらどうする? 腹壊すよ? すき焼きのジレンマは北海道ではさらに深刻……。
今日の授業内容は難しくてとても眠くなってしまいました。
違う。眠くなるから授業内容が難しく感じるんだよ! 僕の授業の前の日はちゃんと8時に寝るように。
私なら注意するよりMP3の音量上げます。
iPodにしようよ!
前回の授業で自殺率は上がっているのかと疑問に思い少し調べました。適当に検索したので正しいかわかりませんが上昇してました (2005年まで)。ただ、時代によって上がったり下がったりしてました。
あ、ちゃんと調べたんだね。偉い。戦後から今年までどういうパタンか分かると面白いね。これを調べて考察すれば立派な卒業論文になりそうだ。
(社会的ジレンマの問題) あまりに個人を尊重する教育では公というものがうしなわれ、公の場でも私的に行動する人間が増えるのではと思った。
むしろ逆。個人主義の社会と言われているアメリカの国民の方が公共の場ではずっと協力的。教育で社会構造を変革するのは無理。
「協力しない」人が多数の中で「協力する」人がいた場合には、「協力する」人が増えるということはあるのですか?
状況によってはある。「自分くらいはしっかりしなきゃ」と思えるような状況なら協力者は増えていく。そういう研究をしている人が知り合いにいる。
(しっぺ返しについて) でもその法則 (?) に気づかれてしまったら終わりでうよね……。
気づかれても問題ない。気づいたらどうする? 「協力」を選ぶしかないよね? むしろ気づかれた方がいいのだ。
ソ連の社会主義のしくみが成り立っていたのは本当に不思議だなと思った。
共産党の一党独裁で、たくさんの人が殺されたんだよ。そういう恐怖政治でなんとかやっていただけで、やっぱり失敗したんだから、「成り立っていた」というのは違うかも。どんなに教育しても国家に献身する人間ばかりを育てるなんて無理。理想を実現するのは難しいことだ。
先生は、好きなものはいつ食べますか。
最後。以前食堂で弁当を食べたとき、海老フライを残していたら同僚の女性教員に「海老フライがお好きなんですね」と笑われ、なんとなく子ども扱いされたみたいな気がしてとても恥ずかしかったのを思い出した……。そうだよ、海老フライ好きだよ!
昨日はイチホ (知ってますよね?) であまりに眠く、途中で寝てしまいました。
イチホも授業もがんばってください。
先生が誰でも1回はゴミ捨てたことがあると言っていましたが、私はポイ捨てしたことありませんよー。
……。
生肉食べてもお腹こわさないんですか???
ちゃんとした牛肉なら生でもいける。豚は絶対だめ。鶏もいけるね。むしろ生がうまい。
授業中の私語やケータイ、ゴミ捨てなどなくなることはないとおっしゃいましたが、なにか利益があればなくなるのですか?
僕が大学生の頃は私語をすると机の上のノートとか鉛筆を全部床に落として叱る気違いみたいな先生がいた。あの授業ではみんな静かだったけど、まるでスターリンの治世のようだった。